世界ではすでに、イスラエルなど人口の半数近くが2回目の新型コロナワクチンの接種を完了しています。米国でも、11%の国民が接種を終えており、ワクチン接種に関して日本は完全に後塵を拝している状況にあります。しかしながら、安全性などの情報を確認して接種を行えるメリットもあると思われます。いよいよ、山形県内でも新型コロナワクチンの接種が始まりました。まずは、国内の約480万人の医療従事者からスタートし、65歳以上の高齢者約3600万人、次いで基礎疾患を有する方や施設等従事者、そして60歳から64歳の方へと進み、最後に16歳以上の一般の人の順で予定されています。最近では、接種した医療従事者の副反応の報告などもなされており、合わせて基礎疾患についての判断や15歳以下の子どもたちへの接種など検討すべき課題も少なくはありませんが、先ずは正しい情報を得て理解し積極的にワクチン接種を考えることが現時点での最善と考えます。
 当院では、当初のスケジュールからはやや遅れてはいますが、およそ500名の職員と約300名の上山市内の医療関係者のワクチン接種を行います。医療従事者の使命として、患者様や地域の皆様に安心していただけるよう、接種可能な職員は積極的に接種を受ける方針でおります。そして、来月からは上山市住民の皆さんへの接種が開始されます。こちらは、上山市の行政として、三友エンジニア体育文化センターでの集団接種が予定されています。当院を含め、各医療機関での接種を併用して行うかどうかは未定ですが、現在のところ毎日300名の接種を予定しています。3週間間隔を開けて2回接種を行わなければなりませんので、困難を極めることが予想されます。
 全国各地の自治体では、身近なかかりつけ医での個別接種と集団接種を併用する「練馬区モデル」と言われる方式や、医療従事者が少ない地域では隣接する町村が連携し行政の垣根を越えてタッグを組む体制づくりなども行われています。また、LINEを使って情報を管理するなど模索している自治体もあるようです。いずれにしても、来年度はこの困難なミッションを、行政、医療者、住民の全員で協力して何とか遂行する1年になろうかと思われます。
 3月11日で、東日本大震災からちょうど10年が経ちました。当時、日赤の派遣として石巻で災害救護を行いました。余震が続く中、被災地の惨状を前に足がすくんだ記憶があります。全てを取り戻すまでには程遠いながらも、被災地の方々を中心に様々な形での支援もありながら復興がなされてきたと思います。忍耐強く地域の復興に取り組み続ける被災地の人々の姿が、「必ず、のり越えられる」という確信と共に、新型コロナウイルスとの闘いと重なりました。この度のコロナ禍も、人類が直面している大きな自然災害の一つと考えられます。我々は、パンデミックという未曾有の災禍を1年間耐えて、今コロナワクチンを足掛かりに明るい希望が見えてきました。みゆき会は一丸となって、この「災害支援」に取り組んでまいります。共に乗り越えましょう。

復興 イメージ           

 

 

 

 病院長 安藤常浩