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 去る2月6日(火)、山形県立河北病院の深瀬龍先生と齋藤惣太先生を講師にお迎えし、看取りケアに関するご講演をいただきました。お二人は、「より“暮らし”に近い場所で医療を行う 医療と介護を繋ぐ」という病院のビジョンのもと、総合診療医として診療されており、当施設の利用者様についても大変お世話になっています。
 齋藤先生からは、「紅寿の里のACP」というテーマでお話しいただきました。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは「人生会議」とも言われ、「もしもの時のために、その方が望む医療やケアについて前もって考え、繰り返し話し合い、共有する取り組み」のことです。老人保健施設の介護に従事する私たちにとっては、利用者様との日々の関りの中で、価値観やご希望、素直な感情や不安など、その方の「想いのかけらを集めていく作業」も立派なACPであるとの説明がありました。
 また、深瀬先生からは「老衰の終末期」というテーマでお話しいただきました。紅寿の里における老衰のイメージを職員みんなで共有することがとても大切であること、また、私たちが関わる老衰/認知症利用者のパターンには、(1)経過が長い、(2)残りの時間の予測が難しい、(3)軽快・増悪を繰り返す、という特徴があり最期の見極めが難しく、だからこそ繰り返しのACPが必要であることをご指導いただきました。

  • 齋藤 惣太 先生
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  • 深瀬 龍 先生
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   先生方からは、「紅寿の里は、地域の患者さんを私たちの病院とともにチームとして一緒に診てもらっていると考えています。」「悩んだ時には、お声がけください。一緒に悩みましょう。」などのたいへん心強いお言葉をいただきました。
 今回の講演会で、看取りケアのみならず普段からの利用者様やご家族への関りの大切さを改めて認識することができました。これからも、地域の高齢者を支えるチームの一員として貢献していきたいと思います。