薬剤科のご紹介

薬剤科2023.10  

 薬剤科では、入院患者様が安心・安全に薬物療法を受けられるように、医薬品の管理業務、調剤業務、製剤業務、薬剤管理指導業務を行っております。その他に、医薬品の適正使用推進のために、医薬品情報の管理も行っております。
 さらに、多職種と連携・協働し、医療チームの一員として感染制御チームでのICTラウンド、栄養管理褥瘡対策チームでの栄養管理にも積極的に参加しております。

 薬剤科 科長 丘 龍祥

薬剤科における業務のご紹介

1. 調剤業務

 調剤は、医師が処方したお薬の用法や用量、複数のお薬の飲みあわせ、検査値の確認などを行っております。そして、疑問がある場合には必ず医師に疑義照会を行い、安全性を最優先した調剤を実践しております。

2. 注射調剤業務

 医師が患者様に処方した注射処方箋に基づき、1日分ごとに、さらに1処方ごとに点滴および注射薬の調剤を行なっております。

3. 病棟業務(薬剤管理指導業務)

 入院されている患者様の病室を訪問し、手術前後の点滴、服用されているお薬の説明、副作用の確認を行っております。安全性と共に、患者様が安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明を通して、患者様のご不安の軽減に努めております。また、ポリファーマシー対策として、減薬にも取り組んでおります。

4. 医薬品情報業務

 医薬品情報室(DI室)では、医薬品に関するさまざまな情報収集・情報提供を行っております。最新の医薬品情報を収集し、医師、看護師、他の医療スタッフに適切な情報を伝えることにより、患者様に安心・安全な医療を提供できるように努めております。

5. チーム医療

 当院の医療スタッフが、それぞれの専門分野の知識を活かし、チーム活動を行っております。
薬剤科では、感染制御チーム(ICT)および栄養管理褥瘡対策チームに参加し、薬物療法の観点から多職種と連携し、患者様の効果的な治療、院内の安全性の確保に寄与しております。

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    ICT委員会4
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    ICT委員会2

6. 製剤業務 

 医師の指示に基づいて、一般に市販されていない薬剤の調製を行っております。
院内製剤には、軟膏剤、消毒薬などがあります。

7. 医薬品管理業務

 院内で医薬品が安定かつ適正に使用できるよう、薬の購入、在庫、供給、品質等の管理を行っております。

8. その他

 入院中に、安心・安全に治療が行えるよう、入院時における持参薬の確認作業を行っております。
また、手術を予定している患者様については、手術前に中止しなければならないお薬が服用されていることもあるため、服用薬の鑑別も行っております。

 調剤支援機器・支援システムのご紹介

1.全自動錠剤分包機

 当院では、患者様の飲み間違いや飲み忘れを防止するために、服用薬を一包化しております。一回ごとの服用シートには、患者様のお名前、「朝食後」「昼食後」「夕食後」等の服用するタイミングが印字され、さらに食後に服用するヒートには色の違う線を引いております。このことにより、患者様はもとより病棟スタッフの配薬、退院されご自宅に戻られた後のお薬の服用に役立っております。全自動錠剤分包機には、136種類の錠剤カセットを配置することができ、迅速かつ効率的な一包化調剤をサポートしてくれています。


MDM1  

2.錠剤鑑査支援システム

 薬剤科では、正確かつ効率的な調剤業務を行うために、山形県内の医療機関としては初めてとなる「錠剤鑑査支援システム:MDM(Medicine Detection Machine)」(株式会社トーショー、URL: https://www.tosho.cc/products/mdm/)を導入しました。お薬の一包化は、患者様にお薬を確実に服用していただくための重要な調剤業務ですが、この業務を行う過程ではヒューマンエラーを防ぐためのチェック体制が重要となります。当科では、熟練した薬剤師が鑑査業務を行っていますが、更なる安全性の向上を図るためにMDMを導入しました。MDMは一次鑑査として、一包化された錠剤をカメラで撮影し、登録された薬剤情報と照合、錠剤の数・形状・大きさ・刻印等をチェックします。その後、二次鑑査として薬剤師の眼による最終確認(鑑査)を行い、更に安全で正確なお薬を患者様にお届けしています。

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