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 当院では、脊椎脊髄の治療・手術件数が多くなっており、保存的治療から手術まで脊椎疾患に関する治療全般を行っています。特に手術治療では、傷が小さく出血の少ない身体的・精神的負担が小さい低侵襲な手術を心がけています。2025年5月には、脊椎手術の安全性をより高めるために、手術支援機器O-arm(オーアーム)を導入しました(山形県の医療機関では初導入)。
 脊椎手術では、脊椎に金属製のネジを入れて固定することがあります。脊椎の形や大きさには個人差があり、その周りに神経や血管があるため、手術でネジを入れる際に、それらの組織を傷めるリスクがあります。 手術を受けられる患者さまの脊椎の骨の大きさ、形、並び方には個人差があり、人それぞれで違います。O-armは、手術の途中で患者さまの脊椎の画像を撮影し、その骨の情報をコンピューターが解析して、スクリューなどの金属を設置したりする場合の正しい方向を教えてくれます。

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 O-arm導入前は、手術前に撮影したレントゲンやCT画像で予めネジを入れる位置を確認し、執刀する医師は手術でその画像を頭の中で思い返しながら、金属のネジを入れていましたが、O-arm導入後は、手術中にリアルタイムで高精細な透視画像やCT同様の三次元(3D)画像で映し出すことが可能なイメージングシステムであり、患者さまの骨の形態情報を確認し、脊椎を固定するためのネジをより正確に挿入することができるので、さらに安全な手術が期待できるようになりました。

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適応となる疾患は、脊柱側弯症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症などです。