CT(computed tomography)とは人体に対しX線を照射して情報を習得し、コンピュータ処理を行うことによって画像を作成する装置です。従来のX線撮影(レントゲン撮影)とは異なり、臓器、骨、液体成分、空気などをCT値で表記し、細かく濃淡で表すことができるのが特徴です。 CT検査により人体内部の微細な構造がわかるようになり、脳出血、肺炎、肺がん、肝腫瘍、大動脈瘤などの診断が従来のX線撮影と比べ飛躍的に向上します。CT80列2

【CT装置紹介ページ】
Aquilion Serve|CT|マルチスライス|キャノンメディカルシステムズ(medical.canon)
キャノンメディカルシステムズ株式会社|Canon Medical Systems

仕様

 当院はcanon製80列CT『Aquilion Serve』(アクイリオン サーヴ)を導入しております。 このCTの特徴を以下にまとめました。
(1) 80列マルチディティクターCTのため短時間で頭から足まで撮影が可能
(2) 最新AI技術を利用した被ばくの低減とノイズを極力除去した画像再構成が可能
(3) 『金属アーチファクト低減』、『体動による動き補正』が可能
(4) 心臓(冠動脈)CT検査が可能

(1) 80列マルチディティクターCTのため短時間で頭から足まで撮影が可能  マルチディティクターとは検出器が多列になっていることを言います。多列検出器を使用することでCT管球一回転に対し複数枚の画僧を撮影することが可能となります。 撮影時間はテーブルピッチ、管球回転速度、スライス厚等の設定で変わりますが、当院で導入した80列CTは、1700mmの撮影範囲であれば約35秒で撮影可能です。胸部(300mmであれば約4秒、胸部~骨盤部(800mm)であれば約10秒で撮影が可能となります。 撮影範囲も1800mmありますので、例えば、『肺動脈血栓と下肢静脈撮影』の様な撮影範囲が広い検査も体位を変えずに撮影することができます。

(2) 最新AI技術を利用した被ばくの低減とノイズを極力除去した画像再構成が可能  最新技術AIを用いることにより、ノイズを極力除去した画像再構成が可能となりました。本来、ノイズを低減させるには線量を増やしてX線吸収差を出さなければなりません。吸収差(X線が検出器で確認できる)が悪い場合は、ノイズ(ざらざらした)画像が表示されます。しかし、今回のAIではそのノイズを除去することにより、ノイズのない画像を再構成することができます。結果、低線量で撮影しても通常の線量で撮影した画像と同等な画質で画像を提供することができ、患者さまにとっては低線量(被ばくを低減した)で検査を受けることが可能です。

(3) 『金属アーチファクト低減』、『体動による動き補正』が可能 昨今では患者様の体内に金属が入っている事はめずらしくありません。金属部分をCTで撮影した場合、画像の金属部分から放射上に白い線が入り、金属がない場所も白い線につぶされ見られなくなる現象がおこります。これを金属アーチファクトといいます。今回導入したCTでは、金属アーチファクトにつぶされた場所もしっかり映し出すことができ、アーチファクトで隠れてしまった所見も見逃すことなく検査が可能となります。 『体動による動き補正』は、心臓や各臓器の動きを補正し、体動の少ない画像に再構成する機能となります。心臓や各臓器の動きででたアーチファクトも低減され、診断に有用な画像を提供することが可能です。

(4) 心臓(冠動脈)CT検査が可能 心臓CT検査とは心臓の冠動脈に造影剤を用いて描出する検査になります。これにより、冠動脈狭窄や石灰化、ステントを入れた後のフォロー、心臓腫瘍などを評価するのにかかせない検査となります。当院では循環器内科医のもと、ムンテラを行い、患者様にしっかりとした説明を行います。また、検査当日は放射線技師からも検査の手順や説明を行いますので安心して検査を行うことができます。

新CTの導入により患者さまにより負担なく検査を行えるようになりました。なにかご不明点等ありましたら、みゆき会放射線科までご連絡ください。